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生きづらさ と 社会の負担

 「生きづらさ」は、個人の問題として語られがちですが、実は、社会全体が負担し続け、さらに広がり続けている大きな問題となっています。

■ 生きづらさとは?

 その人の特性や価値観・境遇と、社会一般とのズレから生じる継続的な苦痛で、社会適応を難しくするもので、要因はその人によって様々です。

 貧困や虐待・逆境体験など不遇な環境によって価値観が歪んだり、トラウマ等による精神障害など、後天的に生きづらさを抱えるケースもあります。

 外部からの支援無しでは克服できず、負の連鎖が広がる恐れがあるため、現在の日本社会において膨大な人たちが抱えている生きづらさをこのまま放置していると社会負担がどんどん増大していってしまいます。

■ 様々な 生きづらさを抱える人たち

■ 子どもの貧困

 約9人に1人。ひとり親世帯では約2世帯に1世帯。

 子ども故に彼等自身にはどうすることも出来ないが、彼らの将来に大きな影響を与えてしまう。

■ 不登校

 小・中学生 約35万人。

 一般的にいじめが主な原因と言われるが、実態は「やる気が出ない」という理由が最も多くなっている。

■ ひきこもり

 約146万人(15〜64歳の約50人に1人)
 きっかけは不登校、離職、病気、人間関係など様々で、年齢を問わず誰にでも起こりうる。

 80代の親が自立できない50代の子の面倒を見る「8050問題」が大きな社会課題となっている。

■ 孤立

 10人に4人が孤独を感じていると言われている。

 誰にも看取られずに亡くなる方も年間2万人を超えている。

■ 自殺

 統計では年間 約1万9千人。毎日50人以上にのぼる。

 ただし、統計の数は、警察が自殺と判断したものに限られる。動機や状況がつかめず死因不明として扱われる死や、市販薬の過量服薬など自殺と分類されにくい死もあり、専門家や遺族団体からは、実態はさらに多いのではないかとの指摘もある。

■ 愛着障害・不安定型愛着

 核家族・共働きなどで親子の親密な関係が得づらい状況や、貧困や虐待・ネグレクトが増加している現代社会では、健全に愛着を育めないケースが増えている。

 彼等が感じる不安に付け込まれて犯罪に巻き込まれたり、うつ病等のその病の原因となってしまったりする。

■ 境界知能(グレーゾーン)

 IQ70~84 人口の14%(7人に1人) ある少年院では4人に3人が該当。

 特別な支援の対象から外れやすく、日常生活や仕事で生きづらさを抱えているケースが多くなっている。

 オレオレ詐欺の受け子や闇バイトに動員される等、匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)に利用されるケースもある。

■ 元受刑者等

 刑務所を出る方が年間 約1万6千人

 その約半数は数年以内に罪を犯してしまい、再犯問題として大きな社会問題となっている。

 その経歴上、刑務所を出てもまともな住居や仕事をなかなか得られず、社会の一員となることが難しくなっている。

■ 社会的損失、子どもの貧困だけで、1学年あたり数兆円

 日本財団と三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2015年に公表した「子どもの貧困の社会的損失推計」の数字です。

 推計対象は、当時15歳の子ども約120万人のうち、生活保護世帯・児童養護施設・ひとり親家庭で育つ約18万人。進学率や中退率が改善した場合と、現状のまま放置した場合とで、64歳までの人生を比べています。

 その差は、生涯所得で約2.9兆円、政府の財政負担で約1.1兆円。しかもこれは、たった1学年分の数字です。同じことが毎年、学年ごとに積み重なっていきます。

 その先に続く不登校、ひきこもり、孤立、再犯、そして若者の希望の喪失までを含めれば、社会が失っている価値は計り知れません。

■ 「所得の損失」は「社会の損失」

「所得の損失」は「その人の収入が少なくて気の毒」という話では終わりません。
 所得とは本来、その人が生み出したモノやサービスなど、仕事の対価として支払われるものです。誰かの生涯所得が少ないということは、それだけこの国で生み出された製品やサービスが少なかったということです。つまり、生きづらさを放置することは、日本の「ものをつくり、価値を生み出す力」を弱めていくことに他なりません。さらに、税や社会保険料を納める側に回れたはずの人が支えられる側にとどまることで、「政府の財政負担」 ≒ 「我々の税金」 も重くなります。

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 すでに日本は、1人当たり名目GDPはOECD加盟38カ国中24位、就業者1人当たりの労働生産性は29位と、主要先進7カ国で最も低い水準にあります。

 人手不足が深刻になる一方で、力を発揮できずにいる人が数多くいる――これは個人の不幸であると同時に、社会全体の大きな機会損失となっているのです。

■ 希望を持てない若者たち

数字に表れる生きづらさの手前には、もっと広く社会を覆う「閉塞感」があります。

日本財団が日本・アメリカ・イギリス・中国・韓国・インドの17〜19歳を対象に行った国際比較調査(2024年)では、日本の若者の回答はほとんどの項目で最下位でした。

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 2026年の最新調査でも、「自国の将来が良くなる」と答えた日本の若者は16%ほどで、6カ国中最下位のままです。

「頑張っても良くならない」「自分が動いても何も変わらない」――そう感じる若者が多い社会では、挑戦する人も、新しい価値を生み出す人も育ちにくくなります。希望の欠如そのものが生きづらさを生み出し、親世代の困難や閉塞感は子ども世代へと引き継がれ、負の連鎖へと繋がってしまいます。

■ 損失から価値へ ―― 生まれかわる

 良心塾は、生きづらさを抱える人を「支援される側」にとどめておくのではなく、その人自身が生まれかわり、社会の一員として力を発揮できるようにする取り組みをしています。

 一人が立ち直れば、その人が生み出す仕事や価値が生まれ、支える家族、社会の負担が減り、そして、かつて生きづらさを抱えていた人が、次の同じ苦しみを抱える人の力になることも出来ます。

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 生きづらさを抱えた人たちが生まれかわり、損失を価値に変え、若者たちの希望を取り戻し、世代を超えて繋がる ―― 良心塾では、そんな豊かな循環社会を目指しています。

出典・参考文献等

  1. 日本財団「18歳意識調査」

  2. 日本財団・三菱UFJリサーチ&コンサルティング「子どもの貧困の社会的損失推計」(2015)

  3. 内閣府「国民経済計算」(1人当たり名目GDP、2024年)

  4. 日本生産性本部「労働生産性の国際比較2025」

  5. 厚生労働省「2025年 国民生活基礎調査」

  6. 文部科学省「令和6年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」

  7. 内閣府「こども・若者の意識と生活に関する調査」(令和4年度)

  8. 内閣府「孤独・孤立の実態把握に関する全国調査(令和7年)」および孤立死者数の推計

  9. 厚生労働省「地域における自殺の基礎資料」(令和7年確定値)

  10. 法務省「令和7年版 犯罪白書」

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